電気自動車用の蓄電池開発の課題-大電流対策

近年は環境に対して優しい自動車として燃費の良さで二酸化炭素の排出量を抑えたディーゼルエンジン、発電しながら走るハイブリッド車、水素と酸素を化合して発電する燃料電池車、外部電源による充電だけで走る電気自動車などが発売されています。

これらの中で二酸化炭素を一切排出しない究極のエコカーとされるのが燃料電池車と電気自動車ですが燃料電池の材料である触媒が非常に高価で、水素が非常に危険で安全対策に費用がかかるため普及するのに時間がかかると考えられています。一方で大容量の蓄電池を搭載して、電気だけで走る電気自動車は電池と電気モーターという既存の技術だけで実現できるので、費用や安全性の面で優位です。現在、幾つかのメーカーにより車載用の大容量蓄電池の開発が行われており、ノートパソコンや携帯情報端末で既に実用化されているリチウムイオン蓄電池が有望視されています。とはいえ、車載用電池はパソコンや携帯電話といった小型の電池とは使用環境が大きく異なり、そのために乗り越えるべき技術的課題があります。

車載用蓄電池のクリアすべき課題の一つは大電流でも安定した電力供給が可能なことです。自動車用の電池で想定される最も過酷な条件とは雨天で夏の夜間に高速道路を走行するようなケースです。この場合、ワイパーやヘッドライト、エアコンを稼動させた状態でも高速走行できるだけの性能が必要です。実際の高速道路で走行する速度は100km/h程度ですが、安全のためのマージンを取るために180km/hまで走行可能な性能が必要とされます。

大電流が必要とされる車載用の蓄電池はパソコンや携帯電話用の電池とは異なり電気を蓄える「入れ物」の働きをする電極材を薄くすることで電気を蓄えるイオンが電極を出入りしやすいように設計されており、電極材料を薄くしたら充電電容量が低下するので電極の面積を大きくして容量を確保するように工夫されています。

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